2.サージエネルギー減衰方式の特徴
従来の避雷器は雷サージの電圧のみを減衰させて機器を保護するのが基本的な動作原理であり、従って避雷器のサージ減衰能力が評価される場合、避雷器の動作開始電圧や制限電圧が重視されました。しかしこれは雷サージの破壊力を電圧のみで評価し、雷サージの電流と継続時間は無視されていることになります。例えば、物体の衝突による破壊力は、単に物体の大きさだけでなく、物体の重量や衝突速度によっても左右されることは明らかです。同様に、雷サージの破壊力も雷サージの電圧だけでなく、電圧×電流×継続時間=エネルギーで評価する必要があり、避雷器には雷サージをエネルギーレベルで減衰させる能力が要求されると考えられます。
そこで、森長電子が開発した高速回線避雷ユニットでは並列素子で雷サージの電圧を吸収し、直列素子で雷サージの電流を減衰させ、並列素子の動作遅れを直列素子がカバーすることにより雷サージを高速吸収する複合多段構成により、雷サージのエネルギーを減衰させる「サージエネルギー減衰方式」を採用し、雷サージエネルギーに対し大きな減衰を与え、確実に電子システム・機器を雷害から守ります。
※…サージエネルギー減衰とサージ電圧減衰の違いに関してはQ&Aもご参照ください。